火とぼし山

[童話]火とぼし山


第七章  新しい出発 3


五分後。
「やっぱり変だ。泳ぐ方向を変えなくては」
そう思った時、目の前に大きなうずがあらわれました。
「あっ、うずだ」
きよは、大きなうずにまきまれてしまいました。
もがけばもがくほど、うずの中にすいこまれていきます。


「誰か、助けてぇー」
きよは、大声で助けをよびました。
でも、湖には誰もいません。
舟ひとつういていません。
「神様。どうか私を助けてください。お願いします」
きよは、一心に祈りました。


               つづく