[童話]火とぼし山
第七章 新しい出発 6
「あなた、何をいっているの。私たちが、きよを助け
るんでしょ。足長、私を背負って、淵のまわりをゆっ
くり歩いてちょうだい」
「手長。そんなことをしたら、わしらもうずにまきこま
れてしまうぞ」
足長が、うずをみていいました。
すると、手長がいいました。
「私、きよのためなら、どんなことでもしてあげたい。
あなた、私を背負って、うずのまわりを歩いてくださ
いな。私が、きよを助け出すから」と。
「わかった。でも手長、くれぐれも気をつけておくれ」
足長が、心配していいました。
つづく