火とぼし山

[童話]火とぼし山


第七章  新しい出発 9


きよでした。
きよは、水を飲んでいるのか、ぐったりしています。
「早く水をはきださなくては」
手長と足長は、きよをかかえ岸にあがりました。
そして、水をはきださせました。
「きよ」
「きよ」
二人は、何度もきよの名をよびました。
でも、きよの意識はもどりません。


「明神さま。今、きよを助けました。しかし、意識がも
どりません。どうしたらよいでしょうか」
「きよを、わしのやしきへ運んでくれ」
「はい、わかりました」
手長と足長は、明神さまのやしきへ、きよを運んでい
きました。


               つづく