2021-03-09 開善寺の早梅の精 童話 [童話]開善寺の早梅の精 開善寺の早梅の精 4 「うわさに聞く開善寺の早梅を、ひとめみたい」 そう思った文次は、そっと戦場をぬけだしました。 そして、胸をはずませ、開善寺へいそぎました。 寺へ着くと、梅の花が咲いていました。 雪のように白い、美しい花でした。 あたり一面に、梅の花のいい香りがただよっています。 なんともいえない清らかな香りでした。 「なんていい香りだろう」 文次は、梅の香りにうっとりしました。 早速、一句よみました。 南枝向暖北枝寒 一種春風有両般 つづく