開善寺の早梅の精

[童話]開善寺の早梅の精


    開善寺の早梅の精  11


そして、酒と料理を持ってきました。
「さあ、文次さん、どうぞ。体が温まりますよ」
女の人は、文次に酒をすすめました。
「うまいっ」
文次は、思わず声をあげました。
こんなうまい酒を飲んだのは、初めてです。
酒からは、梅の花のいい香りがぷーんとしました。


「文次さん。歌をよんでくださいな」
「じゃあ、一句よみましょうか」
文次が、歌をよみました。
すると、
「次は、私がよみますね」
そういって、女の人は、すらすらと歌をよみました。

    
              つづく