2021-07-29 赤い夕顔の花 童話 [童話]赤い夕顔の花 赤い夕顔の花 7 「どちらがほんとうの盛永さまなのかしら。城主だった ら、まず領民のことを考えてほしい」 お万は、心の中でそっとつぶやきました。 そして、「盛永さまが、領民のことを考えられるやさし い人になれますように」と祈りました。 盛永が城主になって五年後。 天文十三年(1544年)秋。 月のきれいな夜でした。 権現城では、月見の宴が開かれていました。 「今宵の月は、美しいのぅ」 盛永は、ごきげんでした。 つづく