赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  10


奥がたのお万も、みよりのない犬坊を、弟のようにか
わいがっています。
犬坊も、お万が大好きでした。
両親のいない犬坊は、盛永を父のように、お万を母
のように思っていたのでしょうか。


若君の長五郎も、「兄ちゃん、兄ちゃん」といって、犬
坊をしたっています。
犬坊も、長五郎を弟のようにかわいがっていました。
「犬坊と若様は、仲がいいのぅ。ほんとの兄弟みたい」
家臣たちは、長五郎と遊んでいる犬坊をみて、そうい
いました。
 

           つづく