海彦山彦

[童話]海彦山彦


      海彦山彦 12


豊玉比売は、父の海の神に知らせました。
「父上、宮殿の入口にすてきな青年がきております」
「どなたかな」
海の神は、外に出て確かめました。


「あのかたは、瓊瓊杵尊さまの御子・山彦さまじゃ」
瓊瓊杵尊さま?」
瓊瓊杵尊さまは、天照大御神さまの孫。そのかたの
御子が、山彦さまじゃ」
「山彦さま、どうぞ中へ」
海の神は、山彦を宮殿の中へ案内しました。
そして、海驢(あしか)の皮の敷物を何枚も重ね、そ
の上にまた絹の敷物を何枚も重ねてしきました。


            つづく