2020-12-04 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 プロローグ 1 星のきれいな夜でした。みしっ、みしっ。 ぱりっ。 バリバリッ。 ばしゃっ。諏訪湖の方から、大きな音が聞こえてきました。 「あなた。明神さまは、今夜も奥さまのところへでか けたのね」 「奥さまのことが心配なのだろう。なにしろ、二人は 仲のいい夫婦だから」 「そんなに心配なら、奥さまといっしょに暮らせばい いのに」 「いろいろ事情があるのだろう」 足長と手長は、いつも明神さまのことを心配してい ます。 つづく