火とぼし山

[童話]火とぼし山


第七章  新しい出発 18


きよの両親も、記憶のない娘と暮らすのはつらいだ
ろう。
いろいろ考えた末、明神さまは、静岡の知り合いに
きよを預けようと思いました。


その夜。
「手長、足長。明神じゃ。用事があるので、すぐきて
ほしい」
「はい、わかりました」
手長と足長は、いそいで明神さまのやしきへ行きま
した。
「夜遅くにもうしわけない。これから、きよを静岡の知
り合いまでつれていってほしい」
「えっ、きよを、静岡へつれていくのですか」
手長が驚いて聞きました。


               つづく