火とぼし山

[童話]火とぼし山


第一章  次郎、西の村へ 7


「次郎さん。お願いがあるの。私と会う日には、大き
な火をたいてほしいの。私、その火を目印にして訪
ねて行くから」
「目印に火か。いい考えだね。でも、遠くから火が見
えるかな」
「夜になれば、真っ暗だわ。 だから、見えると思う。
ねぇ、次郎さん。いつ会うの」
「十日後に、会おう」
「次郎さん。場所がわかるように、うんと大きな火を
たいてね」
「うん、わかった」
二人は、かたく約束しました。


きよと次郎は、幼なじみ。
小さな時から、仲良しでした。


             つづく