火とぼし山

[童話]火とぼし山


第四章  一ヶ月に一度の出会い 2


何時間もかけ、やっと次郎の所へつきました。
「次郎さん。今夜は、湖のまわりを歩いてきたの。だ
から、遅くなってしまった。次郎さん。会いたかったわ」
「きよちゃん。遠い所をご苦労さま。待っていたよ」
次郎は、笑顔できよを迎えてくれました。
「私は、次郎さんの笑顔をみるだけで幸せ」
きよは、心の中でそっとつぶやきました。


「次郎さん。いつものお酒よ」
「きよちゃん。このとっくり、どうしたの。すごく熱い」
「いつものように、手で温めてきただけよ」
きよはそういったけれど、手で温めてきただけで、こ
んなに熱くなるものだろうかと、次郎は疑問に思いま
した。


             つづく