火とぼし山

[童話]火とぼし山


第四章  一ヶ月に一度の出会い 4


会うたびに、きよちゃんが持ってくる酒が熱くなって
いる。
きよの自分に対する思いが、日ごとに強くなってい
ることに気づき、次郎はとまどいました。
きよちゃんの気持は、うれしい。
おらも、きよちゃんが大好きだ。
でも、次郎は、心のどこかで不安を感じていました。
何に対する不安なのか、次郎にもわかりませんでした。


次郎は、きよのそばにいると、ほっとします。
そして、心がなごみました。
「きよちゃんて、ふしぎな人だな」
次郎は、きよと会うたびにそう思います。


             つづく