[童話]火とぼし山
第七章 新しい出発 7
足長は手長を背負い、ごぉーと音をたてているうず
のまわりを、ゆっくり歩きました。
「明神さま。これからうずのまわりを歩きます。どうか
わしらをしっかりお守りください」
手長と足長は、心の中で明神さまにお願いしました。
「よし、わかった。手長、足長。きよのことをたのんぞ」
どこからか、明神さまの声が聞こえてきました。
手長は、長い手で、うずの中をかきまわしました。
しかし、何もひっかかってきません。
「あぶない。あなた、気をつけて」
「手長。おまえこそ、気をつけろ」
二人は、何度もうずの中へ、ひきこまれそうになりま
した。
つづく