[童話]火とぼし山
第七章 新しい出発 2
しばらくすると、西山にぽっと小さな火がともりました。
「あっ、次郎さんだ。今日も火をたいてくれたのね。
ありがとう」
きよは、西山にともった小さな火をみて、ほっとしま
した。
しかし、何か変でした。
今日の火は、少し南によっているような気がする。
気のせいかしら。
次郎さんがともしてくれた火だもの、まちがいない。
あの火を目印に、泳いでいこう。
きよは、次郎がともしてくれた火をめがけて泳いで
いきました。
つづく