海彦山彦

[童話]海彦山彦


    海彦山彦 7


「そうか。そんなことで悩んでいたのか。わしにいい考
えがある」
「ほんとうですか」
塩椎神は、細かく編んだ竹の籠で、舟を作ってくれま
した。


「さあ、この舟に乗りなさい。わしが舟を押すから、しば
らくそのまままっすぐに行きなさい。そうすれば、よい潮
の道がある。その道にそって行けば、魚の鱗のように
並んだ大きな宮殿がある。それが、綿津見神の宮殿
じゃ」
綿津見神とは?」


            つづく