2021-12-03 海彦山彦 童話 [童話]海彦山彦 海彦山彦 7 「そうか。そんなことで悩んでいたのか。わしにいい考 えがある」 「ほんとうですか」 塩椎神は、細かく編んだ竹の籠で、舟を作ってくれま した。 「さあ、この舟に乗りなさい。わしが舟を押すから、しば らくそのまままっすぐに行きなさい。そうすれば、よい潮 の道がある。その道にそって行けば、魚の鱗のように 並んだ大きな宮殿がある。それが、綿津見神の宮殿 じゃ」 「綿津見神とは?」 つづく